一週間に及ぶ演奏旅行を終え、再び日本へと帰ってきました。
今回の旅においては、触れたことのないもの、見たことのない色、聴いたことのない音、様々なことを経験しました。
しかし、この経験を「あれは良いものだった」と懐かしむだけでは、ただの重りにしかなりません。今の自分たちに必要なものは、それらの経験を血肉に変え、先の途へと進んでいく力です。
モーツァルトは自身の手紙の中で「旅をしないものは愚か者である」と書きました。一方イギリスには「旅は利口な者を一層利口にし、愚か者を一層愚かにする」という諺もあります。ただ漫然と思い出を作る作業のような旅ではなく、自分自身の頭と身体を最大限に活用して経験を噛み砕いて己の物として初めて、旅が成功したと言えるのかもしれません。
この先には、いよいよコンクールが迫っています。今回の旅から得た推進力を無駄にしないよう、努めてまいります。